ゴールドシップ引退式

2011年7月9日函館でデビューしたゴールドシップ。
28戦13勝、GⅠ6勝という立派な成績を残し
4年半の現役生活を無事に終え、
2015年12月27日中山競馬場にて引退式が行われました。
デビューした頃はグレーだった馬体もすっかり白くなりました。
カクテルライトに照らされたその馬体は白く輝いていました。
若い頃は優等生と評されたゴールドシップ。
皐月賞では豪快でパワー溢れる走りで他馬を一蹴しての勝利。
菊花賞でもそのスタミナを存分に発揮した走りで余裕の勝利。
3歳で挑んだ有馬記念。圧巻のパフォーマンスでした。
スタートではいつもドッコラショと出て後方からノンビリ追走。
早めに仕掛けてロングスパート。
戦車のように重量感溢れる豪快な捲り。
これがシップの定番の走り方になりましたね。
4歳になり迎えた宝塚記念。
ゴールドシップらしさ全開の勝利でしたね。
秋のGⅠシリーズ、春天は残念ながら勝つことができず、
「当てにならない」とか「京都・東京は合わない」と言われ
信用を失ったような結果になりましたが、
5歳になり迎えた宝塚記念、 連覇することで存在感を見せ付けてくれました。
結果はついてこなかったけど、凱旋門賞でも夢を見せてくれました。
5歳の有馬記念がラストランになるだろうと思っていたら、
2015年も現役続行との陣営の意向。
正直、止めて欲しかった。もう引退して欲しかった。
6歳で現役。昔の馬齢で言えば7歳。戦績ももう十分ではないか。
あと一戦、あと一勝、そうやってターフに散った仔達も多く見てきた。
だから2015年は「どうか無事に」それだけを願っていた。
2015年初戦はAJC。
どうしてそこを使うの?不安と心配でいっぱいだった。
7着でゴールした後、シップの後ろ足が滑ってズルっとなった。
岩田JKも後ろ脚を気にしていて、とても不安だった。
続く阪神大賞典。
見事に勝利したものの、レース後明らかに歩様が乱れていた。
故障したと思った。最悪の事態が頭を過ぎった。見てられなかった。
診断の結果は自分の脚と脚がぶつかったことによる蹄球炎。
もう春のレースは全て回避でいいと思った。 もしくは引退でもいいと思った。
そんな中、天皇賞(春)へ出走の意向が発表された。
無事に帰ってきてくれれば着順なんてどうでもいい。
それだけを祈り、当日は京都競馬場のスタンドにいました。
不安と心配で押しつぶされそうな私の目の前で
ゴールドシップは飄々と天皇賞(春)を勝利してみせた。
抜け出した時には勝利を確信し、号泣していた。
何度も何度もシップに「ありがとう」と叫んだ。
メジロマックイーンが引退して22年。
春天父子4代制覇はならず、マックもこの世を去り、
現役最後の産駆のホクトスルタンも逝ってしまった中、
マックの血を蘇らせただけでなく、
オルフェでも勝てなかった 悲願の天皇賞(春)を芦毛の孫が勝ってくれた。
マック引退後から22年、私が追い求めた夢。見たかった奇跡。
現役続行に反対だったが、走り続けてくれたことで叶った夢。
感謝の言葉しかなかった。
シップのレースの中で、いや、私の競馬人生の中で、
一番で最高のレースになりました。
改めて競馬の魅力、血統のドラマをシップに教えてもいました。
そんな素晴らしい感動を人々に与えられるゴールドシップ。
でも、春天のゲートではごねてゲート再審査決定(^^:
続く宝塚ではバンザイ芸を披露するという大失態で大出遅れ(><)
年齢を重ねる毎に我が強くなり、 若い頃優等生といわれた面影はどこへやら・・・
ジャパンカップでは久しぶりの素顔でのレース。
クリクリの瞳に鼻先がピンクの芦毛。
可愛くないわけがないですよね!
JCでまたゲート失敗したら有馬記念は出走できない。
もしそうなっても、そんな形での引退になったとしても
それもシップらしいな~と思ってたけど、
何事もなく無難にゲートをこなしたシップの姿を見て ホッとして気がつくと泣いてた。
ラストランの有馬記念、
シップらしいロングスパートからの豪快な捲り、 場内の大歓声。
有終の美は飾れなかったけど、シップらしさは十分の発揮したね。
負けてもやっぱりシップが主役だったね。
良くも悪くも人の心を裏切るシップ。
キュートな顔したツンデレ王子。
二枚目だったり三枚目だったり、破天荒な仔。
そんな強烈な個性が多くの人を魅了してきた。
引退式、今浪厩務員と北村助手に引かれ大人しく歩くシップ。
涙を拭う今浪さんを優しい瞳でみているシップ。
インタビューで涙で言葉が詰まった内田JKに
優しい顔で優しい声で 嘶いてみせたシップ。
典ちゃんの宝塚の話には顔を上げ眼を見開いて大きな声で
「言わんでええねん!」とばかりにツッコミいれたシップ。
岩田JKのコメントにはしらんぷりしてみせたシップ。
シップは何を思っていたのだろう?
きっとシップは全てを理解し、シップらしい別れを告げてたんだと思う。
ターフビジョンに映った春天のシップと引退式のシップ。 思わず撮ってみた。
最後の最後のみんなでの記念撮影。
何度も何度も後ずさって輪に入らず、 シップらしい我が侭を言って場内を沸かせ、
関係者を困らせる。
でもきっと、それはシップからのファンサービスであり、
関係者への感謝の気持ちだったのだと思う。
少しでも長くこの場所に。
少しでも長く自分を愛してくれた人達と共に。
そして最後まで自分らしく。
集合写真は無理かと思われた瞬間、スッと輪に収まるシップ。
どこまで賢いの君は。
どこまでツンデレなの君は。
どこまで愛くるしいの君は。
強靭なスタミナと豪快な強さと強烈な個性。
愛らしい見た目とは裏腹な荒々しい闘争心。
戦績以上に多くの人に愛された稀代の名馬ゴールドシップ。
泣き笑いの引退式、あなたらしい。
多くの引退式を見てきたけど、とっても良い引退式だったね。
あなたを追いかけたこの4年半。
素晴らしい感動や衝撃を与えられ、 時にはため息をつかされ、時には笑わされたり。
どれだけ言葉を紡いでも紡いでも紡いでも、
あなたへの感謝の気持ちは言い足りないよ。
本当に長い間お疲れ様でした。
夢も叶えてくれて、奇跡も目の当たりにさせてくれて、 本当にありがとう。
これからもどうか無事に元気に過ごして、 種牡馬としても黄金の輝きを放って欲しい。
いつか必ず北海道の君の元に会いに行くよ。
そして君の仔がデビューするのを心待ちにしているよ。
あなたが叶えた夢、叶えられなかった夢、
その続きをあなたの仔達と共に追っていきます。
これが私からのあなたへの最後の願いです。
シップ!どうかマックよりもステちゃんよりも長生きしてよ!!

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